「全国中小企業クラウド実践大賞 近畿・中国・四国大会」で審査員特別賞を受賞
~アナログだったインフラのクラウド化に成功。対応品質、スピード感が劇的に向上~

「グーグルマップの活用で、誰でもこれまでの工事の情報がすぐに把握でき、対応スピードが飛躍的にアップしました」と赤坂さん

尾道市御調町にある株式会社赤坂ボーリングは、さく井業を中心とした設備工事、化学薬品の製造販売などを行っている企業です。2022年10月に開催された「全国中小企業クラウド実践大賞 近畿・中国・四国大会」で、アナログだった基本インフラのクラウド化に成功した取り組みを発表し、審査員特別賞を受賞しました。

同社が主力事業としているさく井工事は、浄水場の復旧により需要の減少が続いていましたが、西日本豪雨災害を機に、断水に備えるための需要が急増。ボーリング工事だけでなく、古井戸の再生事業も増加しています。創業から約40年間、約2500件の工事実績がありましたが、これまで工事内容などの報告書は紙媒体のみで管理してきました。

2代目となる代表取締役の赤坂雅士さんは、需要の増加に伴い「管理が難しい」「社員同士の情報共有が難しい」などのデメリットがあった紙媒体からデジタル化に移行することを決意。デジタルに強い知人の専門家に相談しながら、「Google Workspace」を導入しました。まずは2000件以上の工事データーをグーグルマップに落とし込むことからスタート。これにより、誰でもすぐに現場の状況をスピーディーに把握することができるようになりました。

また社内の連絡網をチャットワークに統一。電話、メモ、口頭が中心で、社内全体で把握できていなかった現場の動きを、誰でも把握できるようにしました。また、グループチャットをフル活用し、過去のやり取りや依頼の進捗状況なども共有できるようになったことで、対応品質、スピードが劇的に向上。「言った、言わないなどの人的なミスもほとんどなくなりました」と赤坂さんは話します。

導入して4年が経ち、デジタルを活用したことで仕事のスピードが格段に上がった反面、社員全員が同じ速度でクラウドを活用できているわけではありません。社内で研修を重ねるなどして、少しずつですが社員全員がデジタル化に向けて動き始めています。赤坂さんは「まだまだ課題はありますが、専門家や社員と話し合いながら改善していきたい」と話し、今後も意欲的にデジタル化に取り組んでいく一方で、「デジタル化できない個人の頭にあるデーターをどう残して伝えていくか。デジタルで難しい部分はアナログも活用していくことも大切だと思っています。社員同士が対面でコミュニケーションをとることも大事にしていきたい」と続けました。

同社は商工会の勧めで今大会に出場。現在は商工会のサポートを受けながら、自社製造した業務用洗剤などのブランディング化に取り組んでいます。今後は、販路開拓や専門家派遣などで引き続きサポートを行っていく予定です。

〇株式会社赤坂ボーリング

住所/尾道市御調町丸門田1467-1

TEL/0848-76-2238

HP/https://i-ido.com/